宵星の森での ひと呼吸

森は、空を見上げている。

土の下にいる種のことを、思いながら。

種に変化があるのか、

まだ 宵星の森にはわからない。

森が豊かになることを想うと、

胸の奥が 少しだけワクワクする。

けれどーー

いま、ここに座っているだけでいい。

足もとから伝わる土の温度。

それだけで、今日は満たされている。

岩の上で、もう一度 深く息を吸い込む。

湿った土のにおいが、

風が運んでくる若々しい香りが、

まだ見えない季節を知らせる。

静かな宵星の森。

ここで呼吸をしているだけで、

きょうは、もう十分だ。

宵星

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